1.自宅テレワークの経緯と目的

(1) 退職前後の状況

 私は、地方で育ち、地方で教育を受け、地方で勤務(国立の教育研究機関)して60歳後半で退職し、現在、年金生活を送っている。子供たちは成長・独立し、それぞれ、県内・県外で結婚し、家庭を築き生計を立てている。妻は、昨年、3回入退院を繰り返し、現在、定期的な通院とリハビリ通所を行っている。私は、妻を支援しながら生活している。現職時代には、家庭のことは一切せず、また、家族揃っての食事もしない母子家庭のような状況であった。退職前の8年間は、瀬戸内海のほぼ中央部にある離島において単身で勤務し、同時に、はじめて家事を行うこととなった。この単身赴任中に妻は体調を崩した。
 退職の初年度、県外に住む次女が第3子を授かったが、流産の可能性があるとのことで、産前産後の約12か月間(安定期に、数か月、帰省した)、支援に行くこととなった。娘家族のために、食事・掃除洗濯・買物・孫2人の幼稚園と保育園への送迎(徒歩)・孫の入浴など朝から夜まで忙しい毎日であった。新生児の成長は速く、誕生後の2〜3周間は授乳・満腹になると直ちに入眠した。ところが、授乳しても愚図るので、抱いて外を散歩すると入眠するようになり、約1ヶ月を過ぎた頃から乳母車に乗せて散歩しないと入眠しなくなり、徐々に、その散歩時間が長くなった。
 私は環境分野の仕事に携わっていたので、離島での単身赴任とお産の支援は、生活と環境に対して新たな視点を広め・深める契機となり、貴重な経験であった。

(2) PCとの関わりと経緯

 CPUにはじめて出会ったのは、50年前の大学卒業直後のことであった。研究分野の関係上、実験値を解析するためのシミュレーションは必須であって、CPUがないと研究の進展は望めない状況であった。当時のCPUはミニコン(mini-computer)とよばれるもので、コアメモリー容量は4k-byteであって、サイズは大きいがとても小さな能力のCPUであった。①機械語で起動し、②文字・記号を8bitへ変換するプログラムをパンチした巻紙テープをphoto-reader(以下、省略)で読み込ませた。③Fortran言語で作成した解析プログラムをキーボードから入力し、巻紙テープにパンチアウトした。④Fortran言語をAssembly言語に変換するcompilerをパンチした巻紙テープを読み込ませた後、③で作成した巻紙テープを読み込ませ、Assemblyプログラムを巻紙テープにパンチアウトした。⑤Assembly言語を実行するプログラムをパンチした巻紙テープを読み込ませた後、1セットの測定データを入力して、計算結果をタイプライターに打ち出した。計算時間は1日〜数日を要した。
 当CPUは、度々、不具合が起こった。オシロスコープなどで故障個所を探し出し、電気パーツ店から論理半導体を買って、修理しながらの使用であった。また、演算回路の設計ミスもあり、回路変更も必要であった。回転磁気ディスク型の外部記憶装置(1Mb)も付属設置されていたが、ディスク回転速度が安定するまでに30分程度を要し、温度に敏感で書込番地と読出番地が、1回の入出力ごに移動するなどの不具合が生じて使い物にならなかった。しかし、計算尺や電卓での作業に比べると、当時としてはとても有難いCPUであった。
 一方で、しばらくして、IBMから電動タイプライター(ボール状印字器を交換して、フォントを変える)が市販された。高価なタイプライターであったが、全ボーナスをはたいて研究室と自宅にそれぞれ1台ずつ購入した。しかし、記憶装置がないので、文書や論文を作成するとき、タイプミスや文章の削除・挿入などの修正をすると、当該ページ以降は、すべて書き直す必要があった。
 約40年前になって、ワープロが出回るようになった。これは、作成した文章をフロッピー磁気ディスクに保存できるので、原稿の作成・加筆・修正作業がとても楽になった。
 約30年前になるとPCが出回るようになって、処理能力の高いCPU、容量の大きい記憶装置、ディスプレイ(ブラウン管方式)、文章編集・計算ソフトが実装され、データ整理や文章作成が効率的に行えるようになった。約25年前から、PCはよりコンパクトでより高速・より大容量となり、イラスト作成・画像編集などの応用ソフトが装備されるようになった。同時に、異なるPCが接続できるようになるとともに、学内PC(LAN)と外部PC(WAN)との接続が可能となり、通信ネットワークのプラットフォームが構築された。
 そこで、研究室(複数の部屋)内にネットワーク(LAN)を構成し、基幹サーバーを設置して実験データの保存やデータ解析など、室内全員が端末PCからいつでも接続して作業ができるようになった。
 さらに、約15年前から、スマートフォンが普及し始めるとともに、地域にネットワークのプロバイザーが設立され、家庭でもLAN構築が可能となり、WANに接続することで世界中のPCと接続が可能となった。現在では、情報の受発信、商品の電子取引、お金の電子振込・引出など、生活・経済において通信プラットフォームが構築され、いわゆる、デジタル社会が形成されている。

(3) テレワークの目的とWebの立上げ

 さて、前置きが長くなったが、現役時代から退職後には、過去の経験を活用した環境分野での学生さんや企業初心者への助言や支援を目的とする非営利のWebを立ち上げる計画をしていた。具体的に当Webをスタートしたのは、前述した次女のお産の支援中であった。3台のノートPCと1台の24インチ・ディスプレイを狭い衣類・雑類室に設置し、下記の図1に示すテレワークシステムを簡略したものを構築してスタートアップした。同室は私が寝る部屋として利用していたので、PC・ディスプレイなどを部屋隅に片付けて、寝床とした。
 当サイトは、情報発信だけでなく、学習・実験での助言、あるいは、企業等での開発・現場でのトラブルへの相談にも対応できるWebとした。

2.自宅テレワークのシステム

 自宅に構築しているテレワークシステムの概要を図1に示す。PCユニットの仕様概要を表1に示す。以下、HP・その他により提供する「情報」およびその「システム」を含めて「Web」と略称する。一般的な意味での情報・システムを「web」で示す。

2.1 ハード

 本システムは、①自宅に設置したテレワークシステムと②通信大手に設置したWeb公開サーバー(メール送受信を含めて)から構成されている。

(1) Web公開サーバー

 上記②の理由は、Web運用に当たって、安定稼働・高速通信・多数アクセス・維持管理・セキュリティなどが保証されるからである。自宅・個人により、②の状況を確保することは、装置コスト・管理の視点から考えて極めて困難である。例えば、自宅内PCからのアクセス速度を比較しても、Web作成サーバーよりもWeb公開サーバーが極めて高速である。。

(2) 自宅LAN

 テレワークシステムは、自宅LAN(Wi-Fi)とWANを接続する機器およびWi-Fiで接続された3つのPCユニットである。Wi-Fiルーターには、自宅内のすべてのPC・スマートフォン等からアクセスできる大容量記憶装置 LS(link Station、自宅クラウドサーバー)を設置している。現職中には、WANに接続して、自宅・勤務先・出張先にそれぞれ設置してあるPC、および、携帯したPC/スマートフォン/タブレットからアクセス可能な状態に設定し、このサーバーを基点としてすべてのデジタル作業を行っていたが、退職後はセキュリティの関係でLANのみに限定して使用している。

(3) メイン作業PCユニット

 PCユニットは、具体的にテレワークを実施するためのユニットで、メインとサブの2つを設置している。メインユニットは、高速・高性能・大容量型PC(H-PCと略称)と両サイドに安価・低機能型PC/タブレット/スマートフォン(L-PCと略称)から構成されるユニットである。
 1) 各PCには24インチ・ディスプレイを接続して表示している。年齢を重ねると視力が衰えてきたので、退職後に整備した。脇の書籍・論文・資料や各PCのディスプレイへ視点を移す時、眼鏡の取外し・交換が必要となる。そこで、PCの機能レベルに関わらず同じ画面サイズ・解像度のディスプレイを接続して老化視力に対応している。
 2) H-PCは、具体的な文章・図表・イラストの作成など作業用に使用し、両サイドのL-PCは作成文書、過去の作成文書やwebサイトの閲覧専用として利用している。L-PCとしては、前述したように、目的に応じて、安価ノートPC、タブレットまたはスマートフォンをディスプレイに適宜接続して作業を行っている。
 3) キーボード・マウスはワイヤレス一式として各PCにsynergyソフトをインストールして、それぞれを操作している。
 4) 本ユニット(他ユニットも同様)では、ディスプレイごとに、図1に示すキャスター付きメタルラックを配備している。ラックの上段には木板を置いて、その上にディスプレイおよびキーボード・マウスを配置している。中段にはPCおよび外部記憶装置、下段にはDC電源アダプター類や使用中の書籍・資料類を配置している。ラックごとに多端子のAC電源タップ&UAS電源タップをラック支柱に固定している。
 キャスター付きは、ユニットの移動に便利である。当メタルラックは100円ショップで入手したものである。後方の2本の支柱は少し長くして、電源コードや接続コードを巻いて吊している。当自宅では、PC台や机などに設置していない。メタルラックを使っている主な理由は、設置空間がコンパクトであることと、各機器の放熱効果が高いことにある。

(4) サブ作業PCユニット

 本ユニットは、1台のPCに2台のディスプレイを接続した簡単なシステムで、設置空間も小さく、設置場所の移動も簡単である。現在、居間に設置して、必要に応じて適宜使用している。安価なシステムであるが、機能的にはメインユニットと遜色はない。

(5) Web作成サーバー

 本サーバーPCは24時間稼働させることから、本体の空間スペースが広く、また、冷却ファンのしっかりしたデスクトップ型を採用している。ノート型PCは発熱するので、避けた。本サーバーは作業PCユニットで作成したWeb情報の送受信とその保存に特化したもので、電源のon-offまたはバックアップデータを外部記憶装置へ転送するときを除き、直接に操作することはない。公開Webサーバーへのデータ転送は、各作業PCユニットを経由して行っている。年間を通して、常時、稼働状態にしている。

(6) 外付け記憶装置

 本システムでは、PCユニットごとに外付け記憶装置 S(ハードディスク)を装備している。この目的は、①データのバックアップ、②L-PCの内蔵記憶装置の負荷軽減である。特に、事項①は極めて重要である。機器やアプリは再購入できるが、測定データ・作成文書などは、不具合などで一旦破壊されると、再現が不可能となる。当システムでは、各記憶装置に重複して、数十年にわたる実験データや文書が保存してある。過去において、ある外付け記憶装置が故障(引っ越しの際に、不具合が生じたと思われる)したので、再現を外注したところ、数十万円を支払うこととなった。しかし、この記録データは、数桁違いの価値があるので全く後悔はしていない。
 推測であるが、ディスクの損傷ではなく、制御回路に不具合が生じ、ディスク部を検査装置に接続して、新たな記憶装置へデータ転送するとき、転送不可なデータ(例えば、制御用データなど)ごとに停止し、次のデータ転送の可否を問うてくるので、その都度、OKをクリックする必要がある。すなわち、TBクラスのデータ転送が終了するまで、相当な日数を要した人件費が請求されたのであろう。

(7) 周辺機器・アクセサリー

 機種の異なる機器を接続する場合には、インターフェイス(ハード・ソフトの双方を含む)や接続端子が必要となる。web購入のみでなく、店頭販売店に出向いて適切な商品を選ぶ必要がある。特に、接続端子には様々なサイズ・形式(オスメスにも留意)があるので注意している。

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図1 自宅テレワークシステムの概略

表1 自宅テレワーク機器の仕様と目的
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2.2 ソフト

(1) Web作成サーバー

 OSはLinux系でもWindows系のいずれでもよい。IT技術に知識のある場合には、Linux系が安価で安全なシステムが実装できる。主なLinux系OSには、CentOSおよびUbuntuがある。いずれもフリー版がwebから入手できる。当PCは中古品で、実装されていたWindowsを使用している。
 Web作成ソフトも、Linux系、Windows系ともに、有料・フリーのソフトがwebから入手できる。当サイトではWordPressを採用している。WordPressはフリーでHP作成から公開までの各ソフトがOneパッケージとなっており、さらに様々なプラグインが必要に応じて実装できる。

(2) メイン作業PCユニット

 本ユニットは、様々な文書・資料の収集と作成・Web作成・メール通信・オンライン会議などに活用している。
 1) H-PCのOSはWindowsで、Office、pdf編集、画像・動画編集、デザイン、読取、各種ブラウザーなど様々なアプロケーションを実装している。内臓ストレージはSSDで、高速・多機能のPCである(高価であったが、退職金でPC・ソフト共に購入した)。
 2) L-PCは、外部キーボード・マウスおよび外部ディスプレイの機能・端子があれば、PC・タブレット・スマートフォンなど、機種を限定していない。OSはいずれでもよいが、Officeで作成した文書類およびwebサイトが閲覧できるフリーまたは安価なソフトが実装されていればよい。この理由は、自宅内であれば、Linux系でよいが、外部との情報交換では、ほとんどの文書・資料がWindowsで作成されているからである。
 L-PCは閲覧のみで、編集作業はできなくてよい。当ユニットでは、H-PCは固定とし、必要に応じて、それぞれのL-PCを接続して、テレワーク作業を行っている。

(3) サブ作業PCユニット

 マルチディスプレイPC(1台のPCに複数のディスプレイを接続して、使用ですること)であれば、どのような機種でもよい。この機能を有するPCは高価なものが多いが、古いPCでもOSとしてUbuntuを実装すれば可能となる。Ubuntuはフリーであり、必要なアプリのみ装備すればよいので、高速で稼働し、セキュリティも設定により確保できる。当ユニットでは、中古ノートPCにUbuntuを実装して作業を行っている。

(4) 旧世代PCの活用

 今日、大容量の情報を高速で処理・送受信するために、高性能の通信機器とそのプラットフォームが新たに構築・増設され、旧世代PCが使用不可となっている。しかし、何十年もの間に蓄積した情報は、それぞれの世代PCにより作成したもので、古い情報も貴重である。これらの情報は、現在のPCやアプリでは対応できないことが多々ある。このことから、旧世代のPC・ソフトは廃棄しないで保管し、必要に応じて活用している。
 ただし、旧世代PCは、LANには絶対に接続しないこととしている。よく体験することであるが、PCは対応できないファイルがあると、適用できるソフトのWeb検索を開始する。すると、旧OS・アプリに対応できるというページが表示され、うっかり(特に、急ぐ作業があるとき)、クリックすると自動的にインストールされ、個人情報も同時に送信されて、自動的に口座から引き落とされるケースが少なくない。情報の移動には、必ず、USBメモリなどを使うこととしている。

(5) セキュリティの確保

 詳細は省略するが、各PCにはウイルス対策ソフトを装備して、安全対策には十分に注意が必要である。蛇足であるが、IDとパスワードに加えて、2段認証のないwebショッピングはしないことにしている。

2.3 目的に応じたシステム構築

 コロナ禍や東京一極集中など山積する課題解決策として、今後、テレワークや地方分散の社会構築にあたって、デジタル化は避けて通れない。
 ここで、重要なことは、IT知識・技術の習得とシステムの構築を、初期のレベルから段階的にかつ可能な範囲で、自ら実施することである。システムを外注すると、①より大きな投資が必要であること、②応用範囲が限定されること、③デジタル技術の進歩が速く、機器の更新が必要となること(状況によっては、全システムの更新が必要なケースもある)、④不具合が生じたときの対応ができないなど、様々な課題がある。
 工夫によって、より安価に、より便利で、より安全なシステムの構築と活用が期待できる。若い頃から、いや、年齢に関係なく退職に備えて、進化するデジタル化社会の対応への準備しておくことが大切と思っている。


解 説

1. 演算ソフト

Fortran

 Fortranは、数値計算用プログラミング言語として設計されている。各種組み込み関数や複素数、そして強力な配列操作など、数値計算に便利な機能が組み込まれている。Fortranは他の言語と比較して、他の高級源(C/C++、Javaなど)と比較して、数値計算を簡潔に記述することができる。Fortranはその言語仕様上、compilerにとって最適化しやすい言語である。

Assembly

 CPUが直接実行できる言語は機械語(0と1で示される2進数の配列)であり、人間には極めて理解しにくい。そこで機械語そのものを書く代わりに、機械語の意味に相当する短い記号や単語を対応させ、それを記述してプログラミングをすることが考えられた。その一つがAssembly言語である。Assembly言語で書いたプログラムを機械語プラグラムに変換するすることをassembleと言い、それを実行するプログラムのことをassemblerと言う。
 CPUとは中央処理装置のことで、データ処理装置(演算と制御を行う装置で、プロセッサーと呼ばれる)と主記憶装置から構成される。本解説では、正確な表現ではないが簡略化のため、プロセッサーをCPUと記述する。

compiler

 プログラミング言語(人間が理解しやすい言語や数式でプログラムを記述可能な人工言語)で書かれたプログラムを、CPUが直接に実行できる機械語、あるいは、高レベル(人間の言語に近い)のプログラムよりも低レベル(機械語に近い)の言語に変換することをcompile(動詞)と言い、CPUを用いてcompileを行うプログラムをcompilerという。

2. OS

 OS(Operating System)とは、CPUのoperation(操作・運用・運転)を司るシステムソフトウエアのことで、基本ソフトとも呼ばれる。OSの機能は、内蔵記憶装置の管理、マルチタスクなどのプロセス管理、ディスプレイ・外部記憶装置・ネットワーク接続などの管理、各種アプリケーションソフトが稼働するするための環境提供、各種ファイルの管理などを行う。
 従前からのPCの主なOSとしてLinux(CentOS、Ubuntuなど)、Windows、MacOSがあり、タブレット・スマートフォンのOSとしてAndroid、iOS、Google Chrome OSなど、現代では、様々なOSが開発・実用化されている。

3. アプリケーションソフトウエア

 Application software(応用ソフト、アプリ)は、ワープロや表計算など目的に応じたCPUプログラムである。映像・音声を再生するメディアプレーヤー、科学的シミュレーション/グラフィクス/アニメーション、電子メール、ゲームのソフトウエアなども、全て応用ソフトである。

4. バックアップ

 本システムでは外部記録装置を多数設置して、同じ情報を重複して個々の装置に保存している。この主な理由を説明する。
 1) 実測データは、高価な数々の設備と多数の関係者(大学などでは学生)が工夫と時間を要して収得した情報である。文献上のデータは、これらの実測データをまとめたもの、あるいは、代表的なデータを示しているだけである。数ある実測データは極めて貴重な情報であって不用意に紛失することがあっては、関係者に対して申し訳が立たない。また、時を経て、別の視点から実データを見直すと、新たな発見もある。
 2) 作成した文書・資料は、調査・実験など様々な情報を元に幾時間・日の草稿により創作されたものである。この文書・資料を紛失すると、後になって、正確に再現することは不可能である。

5. セキュリティ

 本ブログでは、安全あるいはセキュリティという言葉を繰り返して述べている。このことについて、改めて説明したい。
 営利・非営利を問わずweb上で情報を公開するということは、世界中の人たち・情報ロボット(訪問者)へ当該サーバーへのアクセスを許可することである。大多数の訪問者は発信情報を参考にして、自己のスキルアップをすること、新たな価値を創造すること、心の安らぎを得ることなどへ利活用している善良な訪問者である。
 ところが、少数ではあるが、悪意を持ってアクセスする訪問者もいる。興味本位でサーバー機能を阻害あるいは破壊する訪問者がいる。また、個人・組織の情報を盗み取って他の目的に利用するケース、お金を他人口座から引き出すケース、他人口座を利用して物品を購入するケースなど、様々な不正を試みる訪問者がいる。
 以上のことからセキュリティの確保は極めて重要なことである。しかし、悪意ある訪問者はあの手・この手でアクセスしてくる。これらを防ぐことに傾注していては、本来の目的である価値ある情報の作成は困難である。私が、公開サーバーを外部に設置している最大の理由は、セキュリティを確保するためである。

6. 技術相談への対応

 当Webでは、個人(学生・会社員・自営など)・団体(行政・企業など)を問わず、様々な状況の技術相談がある。学生のケースでは、当Web内容についての照会であるから、メール送信だけで解決できるので簡単である。しかし、技術開発や現場トラブルについては、そう簡単ではない。しかし、現在では情報通信ネットワークのお陰で、不可能ではない。
 一般的に、①メール(資料添付)、②電話、③Skype・Zoomの3つの手段により、対面でなくても可能である。特に、開発実験や現場トラブルでは、どうしてもSkype・Zoomが必須となる。また、メールは一方向であるので、どうしても電話による質疑応答も必要となる。
 メールでは、文章に加えて、データシート(Excel)、図面(主としてPowerPoint)、写真(現場の様子、サンプル、実験装置、分析装置、(電子)顕微鏡写真など)、時として動画などの添付が必要である。
 Skypまたは動画では、開発実験装置の稼働状況や現場トラブル状況の把握である。Zoomでは、相手グループへの説明や質疑応答である。前もって、双方の資料を用意しておく必要がある。打合せ後日、会議録を送ってもらい、双方の認識に齟齬がないか確認している。
 技術対応は、数回で終了するケース、1年または数年に及ぶケースもある。また、行政・企業人であるが個人的に相談されるケースも少なくない。事情があると思われるので、決して所属先は尋ねないことにしている。

7. 今後のWeb計画

 技術相談で感じることは、次の事項であり、企業の大小を問わず共通している。
 (1) 相談技術は、先端化した複数分野が融合したものが多い。
 (2) 担当技術者は、それぞれの分野に詳しいが、異なる分野の知識・経験が全くない、または、浅いことが多い。
 技術相談において、技術開発や現場トラブルの対応では、異分野(生物・化学・物理・工学など)の説明から始まり、時には、異分野の基礎知識と基礎技術の「実」習得が必要となるケースも少なくない。この時の説明資料として、当Web内容を活用することもある。知識と技術と経験のいずれが欠けても、技術開発や現場トラブルの解決は難しい。私が最も重要視していることは、基礎知識と技術経験である。的確な基礎知識に裏打ちされた技術経験でないと、発展性は望めない。現在、本Webの内容は極めて不十分で、今後、長きにわたる内容の充実を感じている。
 技術開発に係る相談(個人的相談を除く)については、担当者に対して、①目的を明確にすること、および、②経営者の方針を確認することを求めた上で、③目的を達成するための手段を提示し(投資とリスクも含めて、ただし、相談料は断っている)、目標達成のための具体的計画案を設定している。以上のような開発プロセスを双方で了解・合意した後で、実施することとなる。技術開発に係る相談対応では、上記した理由により年間あるいは数年にわたることも少なくない。