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水質汚濁の指標と基準

我々は日常生活や産業活動において、水とともに多数の物質を利用しているが、これらが廃棄物や排水に含まれて環境に排出されている。この中で人体に対して毒性を有するものや強い生理作用を持つものを有害物質という。また、人の健康に直接被害を与えるものでなくても、流水中で化学的かつ生物学的変化を受け間接的に水質を損なうものとか、付着・堆積・閉塞などにより生物あるいは構造物に障害を起こすもの、さらに、色・温度などの水の状態変化も水環境を損なう。このように水利用により水質が悪化して人の健康や自然環境に障害をもたらすことを水質汚濁といい、水質汚濁の原因となる物質を汚濁物質という。
国が定める環境基準及び排水基準に取り上げられている水質汚濁項目をに示す。水質汚濁に係わる環境基準とは、公共用水域の水質について達成し維持することが望ましい基準を定めたものであり、人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)と生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)からなる。平成26年11月現在、健康項目についてはカドミウム、全シアンなど27項目、生活環境項目はBOD、COD(有機性汚濁物質の指標)など13項目が定められている。産業活動により排出される水については、水質汚濁防止法により全国一律の排水基準が定められている。さらに、都道府県の条例により上乗せ基準(地域の状況に応じて、全国一律基準よりさらに厳しい基準)が設けられている。
汚濁物質には、シアン化合物やクロム酸塩などのように、その物質が特定されて、その分析法も確立されている場合には、その方法に従って分析し、水質汚濁との関係を明らかにすることができる。
これに対して、個々の物質に関係なく共通した結果を定量的に扱うことによって、水質汚濁の程度を判断する方法がある。これを水質指標といい、代表的なものにBOD及びCODがある。また、河川、海洋などの水質汚濁の程度を判定する生物指標及び病原性生物の存在を判定するための大腸菌群数がある。

表 水質汚濁に係る環境基準の項目
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(1) BOD(生物学的酸素要求量、Biological Oxygen Demand)
BODは水中の好気性微生物によって消費される酸素の量のことで、試料を20℃で5日間培養したとき消費される溶存酸素の量から求められる。BODは水中の好気性の微生物にエネルギー源として摂取される有機物の濃度がどの程度あるかを示すものである。
(2)COD(化学的酸素要求量、Chemical Oxygen Demand)
CODは、試料を硫酸酸性として過マンガン酸カリウムなどの酸化剤を加え、沸騰水中で30分間反応させ、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表す。CODは水中の汚濁程度を表す指標であるが、同じ物質でも酸化剤によって測定値は異なり、また、物質の種類により酸化率が異なるので普遍的な指標ではない。
(3)大腸菌群
水を介して伝染する病気の原因となる病原性生物として細菌、ウイルス、寄生虫卵などある。これらをすべて検査することは困難であり、水質判定のため常時実施できるものとして、大腸菌群の検定が採用されている。大腸菌類は、人のし尿、動物のふん尿に含まれ、それ自体の病原性は低いが、他の病原菌の存在を示す指標として有効な役割を示している。
(4)生物指標
河川、海洋では水域の特性に応じた特有の生物が生息し、その水質が汚濁するとその汚濁の程度に対応して生物種が変わることが知られている。この水生動物の住み分けを応用して、各水域の生物の種類とその個体数を調べ、汚濁の程度を判定する方法を生物指標といい、指標となる生物種を指標生物という。

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掲載日:2017/05/22
更新日:2017/05/22

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