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スクリーン~ゴミ・異物の除去

用水・排水のいずれの原水も、それらに混入している粗大ゴミ・大きな異物(または、し渣)をスクリーンにより取り除いてから、それぞれの目的の水浄化処理が行われる。
スクリーンには、水浄化にのみでなく、農作物・加工食品・工業部品・廃棄物処理などにおいて、目的物をサイズによって分級する方法としても広く活用され、様々な方式が開発されている。ここでは、水浄化に多様されるスクリーンの主な方式について説明する。表1にスクリーンの代表的な方式を示す。

表1 水浄化用の代表的なスクリーンの方式
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(1)バー・スクリーン

バー・スクリーンは、円・角型のなどを一定の平行間隔で外枠に固定したもので、ゴミや異物を取り除き、水を扱う分野で広く掻く活用されている。図1に溜池の放流口や農業用水路に設置されるバー・スクリーンを示す。主に、木の小枝落葉などの粗大ゴミを取り除く。バーの間隔は5cm前後(荒目スクーン相当)である。スクリーンは垂直に設置され、適宜、熊手などで除去される。また、水道・工業用水路や一般水路などでは、天然粗大ゴミに加えて、廃棄された様々な粗大ゴミの除去に用いられている。傾斜バー・スクリーンも多用されている。

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図1 バー・スクリーン:(A)正面図(B)平面図(上部)
A:ゴミ捕捉用のバー、B:水路のコンクリート壁

  写真事例 水路に設置されたバー・スクリーン

(2)自動掻き上げ式バー・スクリーン

上水道、下水道、大型浄化槽、食品工場などの水浄化工程の初段に設置される。上記バー・スクリーンに自動掻き上げ装置を付加したものである。水路に設置される事例を図2に示す。
スクリーンに捕捉されたゴミ・異物を掻き取る爪をチェーンやゴムベルトに取付て、常時掻き上げてゴミ・異物を排出する。掻き上げ装置は、スクリーンの表側または裏側に設置される。バーの隙間は1~50mmまであり、大きさによって18~300m3/hまで処理できる。
また、バーの代わりに、V型支持体に沿って、ゴムベルトそのものを上向きに回転させて、ゴミ・異物を取り除く方式も開発されている。

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図2 バー式自動掻き上げ(裏掻き式)スクリーン:(A)正面図(B)側面図
A:バー・スクリーン、B:コンクリート水路壁、C:水路水の導入枠板、D:捕捉し渣の自動掻き上げ装置、E:し渣受け

  動画事例加藤鉄工 自動バースクリーン(目開:1.0mm)(1:00)

(3)傾斜式ワイヤ・スクリーン

傾斜式ワイヤスクリーンは、原水をスクリーン上部から流下させ、ゴミ・異物を取り除く。目幅(ワイヤの平行間隔)は1~50mmまであり、40~800m3/hまで処理できる。①噴射ノズルをスクリー面に沿って移動しスクリーンを自動的に洗浄する方式や②スクリーンを振動させてゴミ・異物を落下させる方式もある。
ワイヤスクリーンの代わりに、目的に応じた口径の穴を等間隔で開けた板状のスクリーンもある。

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図3 自動洗浄型傾斜ワイヤー・スクリーン:(A)正面図(B)側面図
F1:流入原水、F2:処理水、A:ワイヤ・スクリーン、B:原水の放水装置、C:洗浄水噴射ノズル(上下移動式)、D:し渣受け

  動画事例東洋スクリーン工業 ウルトラTNスクリーン(2:25)

(4)回転ドラム式スクリーン

円筒構造の枠に微細な金網または繊維布図4(A)の褐色円で示す部分)を貼り付けたドラムを低速回転させながら、このドラムに原水を流入させて、連続的に、ゴミ・異物・固形物を取り除く方式である。
①ドラムの上部を水面上に残して本体を水路の水面下に浸漬し、原水をドラム入り口に導入し、原水をドラム面を通して内側から外側に流出させる方式と②水路よりも低い位置に本体を設置して、原水をドラム内に導入し、原水をドラム面を通して内側から外側に流出させ、処理水受けで集水して排出方式である。いずれの方式も処理水をドラム上部ノズルより洗浄水を噴出して、スクリーンに付着したゴミ・異物を洗い落とす。
ドラム内にはらせん状の仕切り板を取り付けて、捕捉したゴミ・異物を回転により出口へ移送し排出する。
本装置は狭い場所での使用が可能で、スクリーンの種類を目的に応じて変えることができるので、様々な分野で広く活用されている。
①急速・緩速ろ過の前処理として懸濁物や藻類の除去
②工業用水の前処理として、浮遊物やバクテリアの除去
③循環冷却水のろ過器た産業排水中の浮遊物除去

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図4 回転スクリーン:(A)断面図(B)ドラムの立体モデル図
F1:流入原水、F2:処理水、RD:回転ドラムとスクリーン、C:捕捉し渣の洗浄ノズル、PS:し渣の排出

  動画事例東洋スクリーン工業 TSドラムスクリーン(1:11)

(5)生活排水のゴミ・異物除去

家庭では、台所の三角コーナー(ネット取付)、洗面台のヘヤキャッチャー、風呂場の排水口の目皿など、排水管の入口に調理くず・ゴミ・髪・異物を取り除く用具(スクリーン)が取り付けられている。洗濯機には、循環水・排水中の繊維くず・ゴミ・髪を捕捉するスクリーンが付設されている。これらのスクリーンが閉塞すると排水が不十分となるので、スクリーンを取り出して、ゴミ・異物を取り除き、付着したスライムをブラシ・タワシなどで洗浄・除去して、元の位置に装着している。

<下水汚泥中の異物>

余談であるが、編集者が下水処理施設から排出される混合汚泥を実験に供する場合には、前処理として、5cm、2cm、1cmの金網の円盤を一定間隔で水平に固定(エアリフト管と一体で、脱着可能)した円筒槽に汚泥を投入した後、汚泥をエアリフト循環して、ゴミ・異物を除去している。金網に捕捉されるゴミ・異物の大部分は、衣類の綿くずと髪である。砂は、円筒槽の底部に沈積するが、極めて少量である。居住部屋を掃除して、掃除機のフィルターに捕捉されるゴミの大部分も綿くずで、次にである。同じ傾向が、下水汚泥にも見られる。

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図5 実験供試用の下水混合汚泥からのゴミ・異物除去の事例
AP:汚泥循環用エアリフト管、S5:5cm金網、S2:3cm金網、S1:1cm金網


掲載日:2017年12月09日
更新日:2018年06月17日(写真・動画を追加)

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