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水と生命物質

1.生体を構成する基本分子

生体を構成する基本分子はアミノ酸、核酸、糖などで、これらの分子には、アミノ基−NH2、カルボキシル基−COOH、ヒドロキシル基−OHなどの親水基を有し、プロトン受容体・供与体としてイオン化したり、また、水素結合能力を有している。これらの分子群は、疎水性分子と結合してより大きな生体分子を形成し、水との相互作用により様々な機能を発揮している。

2.水と生体高分子の3次元構造

(1)遺伝子

DNAの長い鎖は、糖とリン酸が交互につながってできている。糖とリン酸は親水性、塩基が疎水性なので、水中では糖とリン酸が外側、塩基が内側に向くようにして、2つの鎖が絡み合い、水素結合により2つの塩基がつながっている。外側に露出した糖やリン酸は水和して二重らせん構造を安定に保っている。乾燥すると、二重らせん構造は失われてしまう。

図1 DNAの構造

(2)タンパク質

アミノ酸には親水性と疎水性のものがある。水の中では、疎水性のアミノ酸同士が集まろうとする疎水性相互作用が働き、疎水基を内側にたたみ込むようにして曲がる。タンパク質内部からは水が排除され、結晶と同じくらいに密に原子がパッキングされている。タンパク質の表面は親水基の多くが並び水分子と水素結合して立体構造を保つとともに、生物機能を果たすための種々の官能基が適切に配置されている。

図2 タンパク質の構造

3.水と細胞膜

細胞の表面を覆う膜は、リン脂質の2つの層(リン脂質2重層)から構成されている。このため、酸素や二酸化炭素などのガス体や脂溶性の物質は細胞膜を自由に通過できるが、水や電解質(Na、K、Ca2+等のイオン)のような水溶性の物質はほとんど透過できない。このように、細胞膜は生命維持に不可欠な電解質や栄養素(グルコースやアミノ酸等)の取込みや代謝産物の放出を制御している。
リン脂質2重層の中には特殊なタンパク質(図2)がさまざまな形ではめ込まれており、それぞれ特有の機能をもっている。このようなタンパク質には、特殊な化学反応にかかわる酵素、情報の伝達にかかわる化学伝達物質やホルモンなどを受け取り、細胞内へ情報を伝えるための受容体、水溶性物質、特に水や電解質が膜を移動するための極めて小さな孔(チャネル)、ある物質と結合することによって、細胞内外への物質輸送を担う担体、また細胞膜の外側に頭を突き出したタンパク質に糖質が付着した糖タンパク(糖とタンパク質の結合体)等がある。また、糖タンパクは、血液型を決定したり、免疫系細胞では細菌やウイルス、毒素と結合する受容体(レセプター)として働くなど、さまざまな役割を担っている。

図3 細胞膜の構造


掲載日:2017/07/03
更新日:2017/07/07

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