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浄化槽の法定検査結果の状況

1.法定検査

浄化槽の水質に関する検査(以下、法定検査)は、当該浄化槽の設置の状況及び維持管理の状況を判断するとともに、放流水の水質が適切か否かを確認するものであり、浄化槽が生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与する施設であることを担保するための重要な検査である。
法定検査については、浄化槽法及び施行規則に加え、「浄化槽法第 7 条第 1 項(以下、第7条検査)および第 11条第1項(以下、第11条検査)に規定する浄化槽の水質に関する検査の項目、方法その他必要な事項」(平成19年8月29 日環境省告示第 64 号)及び「浄化槽法定検査判定ガイドライン」(最終改正:平成14年2月7日環廃対第105号環境省浄化槽対策室長通知)に基づいた検査が実施されている。
なお、第7条検査(設置後等検査)は、新たに設置、またはその構造もしくは規模の変更をした浄化槽について、その管理者が使用開始後3月を経過した日から5月の間に受けなければならない。第11条検査(定期検査)は、浄化槽管理者が毎年1回受けなければならない。これらの検査は、都道府県知事の指定検査機関により実施される。

(1)総合判定

総合判定では、外観検査、水質検査及び書類検査の結果を総合的に勘案して、「 適正」、「おおむね適正」(≒適正)及び「不適正」のいずれに該当するかを判定している。

①「適正」とは、浄化槽の設置及び維持管理に問題がない場合。
②「おおむね適正」(≒適正)とは、浄化槽の設置及び維持管理に関し、一部改善することが望ましい、または今後の経過を注意して観察する必要があるが、「不適正」以外の場合。
③「不適正」とは、浄化槽の設置及び維持管理に関し、法に基づく浄化槽の構造、工事、保守点検及び清掃に係る諸基準に違反しているおそれがあると考えられ、改善を要する場合。

総合判定に係る詳しい内容は上記ガイドラインを参照されたい。

(2)外観検査

外観検査項目は、「設置状況」・「設備の稼働状況」・「水の流れ方の状況」・「使用の状況」・「悪臭の発生状況」・「消毒の実施状況」・「カ、ハエ等の発生状況」で構成され、各項目の具体的内容は表2表5に示すとおり、75のチェック項目から構成される。それぞれのチェック項目について、次の①~③の考え方により「良」・「可」・「不可」の判断が行われる。

①「良」:望ましい状態にあるまたは異常が認められない。
②「可」:一部望ましくない状態または異常が認められるが、通常の保守点検および清掃の範囲で回復が可能な程度の状態であり、処理機能等に影響を与えるおそれが小さい。
③「不可」:望ましくない状態または異常が認められ、主として当該単位装置の処理機能等に影響を与えることが明らかである。

浄化槽の処理機能は、個々のチェック項目の検査結果からだけで判断できない場合もあるが、ここでは各チェック項目に該当する単位装置として「良」・「可」・「不可」の判断が行われる。したがって、各チェック項目の判断結果が総合判定のための重要な資料となる。さらに、チェック項目によっては互いに関連する項目もあるが、個々のチェック項目ごとにそれぞれ判断が行われる。
なお、処理機能は最終的な処理水質の良否ではなく、チェック対象の単位装置に係る機能に影響を与えているか否かについて確認される。

(3)水質検査

第7条検査の水質検査項目は、以下の7項目であり、第11条検査は②と⑤を除いた5項目となっており、「良」・「可」・「不可」の判断は外観検査で示した考え方により行われる。

①水素イオン濃度(pH)、 ②活性汚泥沈殿率(SV)、 ③溶存酸素量(DO)、④透視度、 ⑤塩化物イオン濃度、 ⑥残留塩素濃度、 ⑦生物化学的酸素要求量(BOD)

生物反応槽の検査項目であるSV・DOは外観検査で示した考え方で判断される。
処理水の検査項目であるpH・塩化物イオン濃度・残留塩素濃度・透視度・BODに処理機能の結果が判断されることになる。
浄化槽の処理水質は流入条件等によって大きく影響され、日間平均値としての規制を十分に満足しているかを、スポット検査で判断することは容易ではない。そのため、これらの検査は、処理機能を判断するための有効な手段の一つとして位置づけられ、これまでの検査結果の実績を踏まえ、判断の材料としている。
pH・残留塩素・透視度・BOD についての「良」の判断は、処理機能面および処理水質の両面から、浄化槽が良好な運転状況であると判断された場合である。
「可」の判断は、処理水質(残留塩素を除く)の日変動範囲内であり、この水質範囲であれば一部望ましくない状態または異常が認められ、処理機能に一部望ましくない状態が発生しているおそれもあるが、日間平均としては満足する場合も考えられる状況であり、その後の経過を観察しておく必要性が認められる場合である。
「不可」の判断は、「良」および「可」の範囲を逸脱し、明らかに処理機能に障害を生じている状況を示している場合である。

(3)書類検査

書類検査にあたっては、記録の有無や実施回数だけでなく、記録の内容が重要であり、その精度が確保される必要がある。

①保守点検記録

保守点検に係るチェック項目は、「記録の有無」・「記録の内容」・「保守点検の回数」の3項目である。各チェック項目について「良」・「可」・「不可」の判断が行われる。
3項目のうち記録内容については重要度が低いが、他の2項目についての重要度が高い。重要度が高い項目は、原則としてそのまま放置すれば放流水質の著しい悪化、公衆衛生上の著しい問題等が生じるおそれがきわめて強いと考えられる項目であり、その項目が「不可」であることをもって「不適正」と判定することが適当なもので、判定に当たっては必要に応じ、水質検査結果が勘案される。したがって、「不可」と判断された場合には、そのまま不適正となることを考慮して判断される。

②清掃記録

清掃に係るチェック項目は、「記録の有無」・「記録の内容」・「清掃の回数」の3項目である。各チェック項目について「良」・「可」・「不可」の判断がされる。重要度が高い項目における留意事項は保守点検記録の場合と同様であり、判定に当たって水質検査結果が勘案されることも同様である。
外見検査・書類検査の詳細については、「浄化槽の水質に関する検査における精度管理手法の導入マニュアル」(環境省)を参照されたい。

2.第7条検査の状況

(1)総合判定

平成27年度に実施された第7条検査の総合判定の状況を図1に、不適正件数の割合を表1に示す。なお、単独浄化槽の新設は数件であったので、合併浄化槽の検査結果のみ記載する。
対象件数は122千件で、実施件数113万件、受験率は92.5%となっている。総合判定の結果は適正68.7%、おおむね適正24.5%、不適正6.9%となっている。
表1は、外観検査・書類検査について重要度が高い項目が不可、外観検査・書類検査において重要度が低い項目が不可であって水質検査が不可である浄化槽の割合を示す。
なお、第7条検査における人槽区分別実施件数のデータが公表されていないので、推定値を用いた。
外観項目および水質検査では、5~50人槽に比べて、50人以上槽において不可の割合が高い。これは、規模の大きい浄化槽の構造がより複雑であることによると思われる。この理由については、表2に示す検査項目別の相対件数の比較からも裏付けられる。詳細については、下記(3)検査項目別の不適正件数で述べる。書類項目では、2つの人槽区分で、ほぼ同じ割合である。
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図1 第7条検査・総合判定の状況(平成27年度)
表1 第7条検査の不適正件数の割合(平成27年度)
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(2)水質検査-BOD-

最も重要な水質検査項目である放流水BODの検査結果を図2に示す。5~50人槽と51人以上槽に分けて、BOD値の区分ごとに該当基数(左軸)を棒グラフで示し、基準値を超える(基準以上)ものは赤棒で示す。検査した全基数に対する各区分基数の割合の積算値(右軸)を実線で示している。
いずれの人槽においても、BOD値が低い区分ほど基数が多くなっている。基準を超える浄化槽基数の割合は5~50人槽で17.9%、51人以上槽で21.9%である。規模が大きい浄化槽ほど、処理性能が低下している傾向が窺える。
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図2 第7条検査ーBODー

(3)検査項目別の不適正件数

検査項目別の不適正件数(薄黄色の欄内)を5~50人槽と51人以上槽に分けて表2に示す。人槽区分の差異を比較するため、背景色が薄赤色の欄内に相対件数(1万件当たりの不適正件数に換算)を示している。各枠内に示す「赤い横棒」は各区分列の最大件数に対する当該件数の相対値をその横幅で示している。ただし、相対件数欄については、2つの人槽区分を通した最大値に対する相対値を横棒の幅で示してある。枠内全体が赤になっている項目は最大の不適正件数に該当する。

① 外観検査

表2の外観検査欄の最左列の番号は、1.(2)外観項目に記載した75のチェック項目番号である。5~50人槽における不適正件数が多い順に各項目の並び替えを行い比較している。
いずれの人槽区分においても、不適正件数が最大の項目は、「73.消毒剤の有無」であり、5~50人槽で全検査基数中の2.0%、51人以上槽で3.3%を占めている。5~50人槽で、順次、不適正件数が多い項目は、「74.処理水と消毒剤の接触状況」、「26.流入管渠及び放流管渠の設置状況」、「40.生物膜の状況」となっている。
人槽区分での差異を見ると、51人以上槽の「40.生物膜の状況」が2番目の不適正件数となっている。生物膜については、不適正の原因として、設置後の日数、検査の季節(水温)、ろ床の管理(逆洗)などの状況により、生物膜の未成長あるいは過大成長などが挙げられる。第11条検査(定期検査、表5)における相対件数よりもその件数が多いことから、新設等後の未成長(特に、水温の低い晩秋~冬期での新設等)が推定される。

② 水質検査

水質検査については、いずれの人槽区分においても同様な傾向である。不適正件数は、「残留塩素濃度」、「DO」、「透視度」の順に多い。
「残留塩素濃度」については、外観検査の「73.消毒剤の有無」・「74.処理水と消毒剤の接触」の不適正件数を裏付ける結果となっている。
「DO」については、新設等直後の生物膜が未成長(生物反応量が低い状況)時での曝気量調整により、生物膜の成長とともに送気量が不足していることが原因と推定される。このことは、第11条検査(定期検査)においては「DO」の不適正件数は極めて少なく、生物膜が正常な状態で送気量が適正に調節されていることからも裏付けられる。このことから、新設等直後には、保守点検を短い間隔で実施することで、適正なDO状態に改善できることとなろうが、維持管理費負担等の関係もあり、今後の課題であろう。

③ 書類検査

「記録の有無」・「記録の内容」ともに、いずれの人槽区分の不適正件数の割合は2~3%であるが、「保守点検の回数」については5~50人以上槽で0.45%あるのに対し、51人以上槽では8.0%とその割合が大きい。前者の大半は、家庭用小型浄化槽(5~20人)で契約業者に全て委託しているので、保守点検回数が適正に遵守されていることと思われる。規模の大きなものについては、設置直後において、その回数が遵守されていない割合が高いことが示されている。このことは、上記2.(2)性能検査-BOD-における傾向とも一致しており、導入直後に課題があるものの、第11条検査では改善されており、不適合の判定を受けて保守点検の回数が遵守されたことと思われる。

表2 第7条検査項目別の不適正件数(複数回答)(平成27年度)
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3.第11条検査

(1)総合判定

平成27年度に実施された第11条検査の状況を表3に、不適正件数の割合を表4に示す。対象件数は7,316千件(内:単独、4,044千件;合併、3,273千件)で、実施件数2,880千件(内:単独、970千件;合併、1,910千件)、受験率は39.4%(内:単独、24.0%;合併、39.4%)となっている。
総合判定の結果は適正71.0%(内:単独、69.7%;合併、71.6%)、おおむね適正24.1%(内:単独、24.0%;合併、24.2%)、不適正4.9%(内:単独、6.3%;合併、4.2%)となっている。
第11条検査(定期検査)は全体的に受験率が低く、特に半数を超える単独浄化槽の受験率が極めて低いことが課題である。検査結果(総合判定)については、単独・合併ともに同様な傾向となっている。この結果は、第7条検査(新設等後検査)と同様な傾向である。また、合併浄化槽の不適正件数の割合については、6.9%から4.2%まで改善されている。このことは、図2図3に示す水質検査-BOD-の結果からも裏付けられる。すなわち、不適正件数の改善は、新設等後の生物膜が未成長(特に、水温の低い晩秋~冬期での新設等)であったものが、熟成しその状態が適正に維持管理されていることと推定される。
表4は、外観検査・書類検査について重要度が高い項目が不可、外観検査・書類検査において重要度が低い項目が不可であって水質検査が不可である浄化槽の割合を示す。
なお、第11条検査における人槽区分別実施件数のデータが公表されていないので、推定値を用いた。
全般的に、5~50人槽に比べて、50人以上槽において不可の割合が高い。これは、規模の大きい浄化槽の構造がより複雑であることによると思われる。5~50人槽については、合併浄化槽に比べて、単独浄化槽において不可の割合が高い。
これらの理由については複雑で多様な原因があるが、表5に示す検査項目別の相対件数からも裏付けられる。詳細については、下記(3)検査項目別の不適正件数で述べる。

表3 第11条検査の状況(平成27年度)
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表4 第11条検査の不適合件数の割合(平成27年度)
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(2)水質検査-BOD-

最も重要な水質検査項目である放流水BODの検査結果を図3に示す。5~50人槽と51人以上槽に分けて、BOD値の区分ごとに該当基数(左軸)を棒グラフで示し、基準値を超える(基準以上)ものは赤棒で示す。検査した全基数に対する各区分基数の割合の積算値(右軸)を実線で示している。浄化槽はその新設等年月により放流水質基準が異なるので、それぞれの基準(BOD、mg/L:20・30・60以下の区分)ごとに表示している。
いずれの放流水質基準においても、BOD値が低い区分ほど基数が多くなっている。基準を超える浄化槽基数の割合は、BOD基準20mg/L以下では5~50人槽で14.3%、51人以上槽で12.4%、BOD基準30mg/L以下では5~50人槽で3.2%、51人以上槽で5.8%、BOD基準60mg/L以下では5~50人槽で3.1%、51人以上槽で2.8%となっている。BOD基準が厳しい浄化槽においてその基準達成率が低くなっているが、当然とはいえ、放流水BODそのものは、古い年代の浄化槽ほど、高い値の分布となっている。

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図3 第11条検査ーBODー

(3)検査項目別の不適正件数

検査項目別の不適正件数(薄黄色の欄内)を、5~50人槽と51人以上槽に分け、さらに単独および合併に細分して、表5に示す。各細区分の差異を比較するため、背景色が薄赤色の欄内に相対件数(1万件当たりの不適正件数に換算)を示している。各枠内に示す「赤い横棒」は各細分列の最大件数に対する当該件数の相対値をその横幅で示している。ただし、相対件数欄については、細区分全体を通した最大値に対する各相対値を横棒の幅で示してある。枠内全体が赤になっている項目は最大の不適正件数に該当する。

① 外観検査

検査項目別の不適正件数(薄黄色の欄内)を、5~50人槽と51人以上槽に分け、さらに単独および合併に細分して、表5に示す。各細区分の差異を比較するため、背景色が薄赤色の欄内に相対件数(1万件当たりの不適正件数に換算)を示している。各枠内に示す「赤い横棒」は各細分列の最大件数に対する当該件数の相対値をその横幅で示している。ただし、相対件数欄については、細区分全体を通した最大値に対する各相対値を横棒の幅で示してある。枠内全体が赤になっている項目は最大の不適正件数に該当する。

① 外観検査

表5の外観検査欄の最左列の番号は、上記の1.(2)外観項目に記載した75のチェック項目番号である。合併浄化槽5~50人槽における不適正件数が多い順に各項目の並び替えをして比較している。
いずれの細区分においても共通して不適正件数が多いの項目は、「73.消毒剤の有無」・「30.送風機の稼働状況」である。
家庭用小型浄化槽の「消毒剤」の多くは円柱状錠剤で円筒形ケースに充填し、そのケースの底部が放流水に接している。消毒剤は、日数経過とともに溶解・消失するので、定期的な補充を行う(点検時の残量に関わらず、ケースを満杯にする。ケース底に処理水との接触調整部分があるものは、過大な溶解量とならないよう適正に調整する。)。定められた保守点検の間隔と回数を遵守することで適正に管理できる。
「送風機」は、浄化槽の機能を正常に維持するために、最も重要な装置である。送風機の稼働状況の不適正の主な原因として、(a)送風量の調節、(b)送風管路・散気装置の目詰まり、(c)送風機の故障の3つがある。
上記(a)の送風量が不足して溶存酸素濃度が低くなると、生物膜法・活性汚泥法いずれにおいても、生物膜や汚泥フロックが弱体または解体し、浮遊性微生物(主として粒径0.5~1μm [2])が増加し、放流水の透視度が著しく悪化するとともにBOD濃度も増加するので、外観検査で容易に判定できる。(b)・(c)の不具合で送気が停止した場合には、好気性生物処理は全く機能せず、黒色の懸濁物質を含む黒ずんだ放流水となり、さらに硫化水素とアンモニヤによる悪臭を発生するので、容易に判定できる。(b)の送風管理・散気装置の目詰まりでは、送風管路のブラシ洗浄や水道水蛇口にホースで直結した圧力水による散気装置の目詰まり解除などを行う。(c)の家庭用小型浄化槽・送風機の故障の大部分は、ダイヤフラムの破損による。ダイヤフラムは消耗品で簡単に交換できるので、送風機の異常音や異臭が発生した際には、直ちに委託している保守管理業者へ連絡・対応することが肝要である。
次に、細区分別の不適正項目についての差異を見ると、5~50人合併浄化槽と他細区分で大きな相違が認められる。共通した顕著な相違は「4.漏水の状況」である。一方、5~50人槽と50人以上槽を比較すると、全般的に、5~50人槽に比べて、51人以上槽において不適正件数の多い項目が多くなっている。特に顕著な項目は「4.漏水の状況」・「8.浄化槽上部及び周辺の利用または構造の状況」・「29.ポンプの稼働状況」などが挙げられる。
これらの理由として、規模が大きい槽浄化槽ほど、処理設備が複雑となり、配管も長く接続部分も多数になること(特に、保守点検・清掃後の再接続の不備など)によると推定される。また、送液ポンプなど、特別な場合を除き小型浄化槽(特に、一般家庭用5~10人槽)にはない装置があることも原因であろう。「送液ポンプ」の不具合は、異物防止孔の目詰まりやインペラへの粘質物付着によることが多く、定期的な分解・清掃が欠かせない。定量ポンプ(薬注用など)として使われるペリスタポンプは、送液チューブが破損して漏水の原因となる。上記した放流BOD値の分布には人槽規模による大きな差異がないことから、51人以上大型槽の構造そのものが問題となるものではないが、維持管理においては知識・技術と経験が求められる。
「8.浄化槽上部及び周辺・・・」については、51人以上の中・大規模浄化槽が設置される建築物の用途が多岐にわたり、利用者も不特定多数であり、設置箇所の上部・周辺の管理が難しいことを窺わせる。

② 水質検査

水質検査については、いずれの細区分においても同様な傾向であるが、全般的には50人以上槽の不適正の相対件数が多い。
50人以上の浄化槽に「塩化物イオン濃度」の不適正件数が多いのは、中・大規模浄化槽は共同住宅のみでなく、店舗・学校・娯楽・事務所など、主として便所排水を処理するための浄化槽であることから、し尿に由来する塩化物イオンが原因であろう。

③ 書類検査

保守点検記録・清掃記録いずれも、「記録の有無」の不適正件数が特に多い。問題となることは、50人以上合併浄化槽において、その清掃記録に係る「記録の内容」および「清掃の回数」に係る不適正件数が多いことである。50人以上の中・大規模浄化槽を設置している組織上の管理体制に課題を残している。

表5 第11条検査項目別の不適合件数(複数回答)(平成27年度)
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<推定値の計算>

平成27年度の設置浄化槽については、規模(人)と基数には次の関係式が認められる。

log[基数] = -8/5*log[規模] + 8.0


引用データ

1)本ページの掲載データは全て、環境省から公表されたものを引用した。
ただし、推定値および相対件数については、環境省公表データに基づき、執筆者が計算した値である。
2)石黒 泰、他:浄化槽の運転条件が処理水質に与える影響、環境技術、Vol.46、No.8、pp.405-409(2017)


掲載日:2017/08/17
更新日:2017/08/24

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