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砂・塵の除去

村上定瞭(水浄化フォーラム)

上水、下水、工場、農場、土木工事など、用水・汚水・排水中には、細かな砂や粉塵などが混入している。このため、これらの微細な固形粒子物質を除去する工程が必要となる。

表1 土質の種類とサイズ
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1.沈砂池

下水処理の沈砂池は、粒径0.2mm以上の砂を分離することを目的とし、池内の平均流速は0.15~0.30m/sを標準としている。沈砂池では、砂等の無機物だけを除去し、有機性物質はなるべく後段の処理工程へ送り込む方法が取られる。
以前には、沈砂を洗浄し、有機物を元の下水に戻すことが行われていたが、最近では、散気管を設けて空気を送り込む方式(曝気沈砂池図1)が普及している。これは流入汚水に溶存酸素を与えて好気性に保つことと、曝気よる旋回流により砂と有機物を分離する効果が大きいからである。集積砂に有機物が混在すると、腐敗が進行し悪臭を発生することと、その処理・処分が煩雑となるからである。
また、中・大型の浄化槽では、ばっ気によって泡が多量に発生することもあり、この場合には散水ノズルなどによる消泡装置が必要となる。
沈砂池では長方型で水平流式のものが多い。砂の排出は、小・中規模なものでは人力やエアリフトポンプを用いるが、大規模なものでは機械的な掻き寄せ機が用いられる。

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図1 生活系排水の曝気沈砂池(槽)の事例:(A) 正面図、(B) 平面図、(C) 集砂用底部側面図
F1:流入原水、F2:処理水、A:曝気装置、AP:エアリフトポンプ、S:沈積砂、RS:沈積砂の排出

2.傾斜板式沈殿池

傾斜板は,その枚数により沈殿池の表面積(n・A・cosθ; n:板枚数、A:板面積、θ:板傾斜角度)を増やすことができる。傾斜板の表面に沈降した固形物質は、ここで沈降濃縮されることにより傾斜板の表面を滑り落ちる。傾斜板式沈殿池は,沈殿池の性能を飛躍的に高めることができ、また取り外しも容易で構造物による階層式よりはメンテナンスが容易、既設池に追加可能、動力不要など数多くのメリットがある。
原水中の微細な砂・塵などの除去を目的として、上水の浄化施設や工業用水の前処理施設として多用されている。ただし、増水した雨水が大量に流入すると、傾斜板が破損・破壊されるので、増水時の対策が取られている。

3.サイクロン式除砂装置

土木工事現場の微細な砂、冷却塔の粉塵・錆、工場・発電所などの熱交換器のスラッジ、各種工場でのスケール・スラッジ、淡水化施設の分離膜システムなどでは、ポンプ・各装置の摩耗や破損を防ぐことを目的として、砂・粉塵・スラッジなどの微細な固形物の除去にサイクロン式分離機が用いられる。
この装置は、遠心分離機の応用ともいわれ、数十μm程度の固形物の除去に用いられ、小型から大型の装置まで実用化されている。
比重の大きい固体の混じった液体を漏斗状または円筒のサイクロンの円周方向から液体の流速により渦を描く様に導入する。この際、液体の排出方向はサイクロンの円の中心から上方向に排出する。固体は、旋回流の遠心力により分離されて壁面に衝突し、その後、重力により落下、下部に溜まる仕組みである。液体は円の中心から上昇流により排出されるため、水よりも比重の大きい固体成分が効率よく除去されることとなる。
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図2 サイクロン式除砂装置
(A) 本体正面図、(B) 流入・流出部の断面図(上向き)
F1:流入原水、F2:処理水、A:空気抜き、B:覗き窓、C:集砂排出バルブ、S:集積砂

掲載日:2017年12月12日
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